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生活の中のユニバーサルデザイン

第15回 浴槽とユニバーサルデザイン〜浴槽選びのポイント

2.浴槽のユニバーサルデザイン

イラスト4 腰掛スペース

浴槽を選ぶときには、サイズだけではなく形状にも注意しなければなりません。
お年寄りや障害のある方にとっては、立ったまま、またいで浴槽へ出入りするよりも、浴槽リム面に一度腰掛けてから、身体を安定させて出入りする方が身体の負担も少なく、また安全です。
そのためには、腰掛スペースのある浴槽(又は施工のできる浴槽)を選ぶと良いでしょう。片麻痺の方などの場合、出るときと入る時では腰掛る側が異なるので、腰掛部は浴槽の両側についているとよいのですが、水栓の配置などを考えると両側に腰掛スペースを設けるのは構造的に難しいと思われます。少なくとも片方だけには、座面スペースを設けるようにしていただきたいものです。

イラスト5 傾斜のある浴槽

ところで大型浴槽は、寝そべることができるために背もたれの部分が傾斜しています。実はこの傾斜が曲者なのです。例えば、浴槽の座面に腰掛けてから入る場合、斜面に足を下してしまうと、すべってしまうおそれがあります。また、傾斜を避けて平坦な部分に足を下ろすためには、無理をして足を伸ばさなければなりませんし、何とか浴槽には入れたとしても、出ようとして立ち上がった際に腰が座面に届かず座ることができません。
これらは、お年寄りにだけいえることではありません。家族みんなの安全のためにも、背もたれの傾斜の少ない浴槽を選ぶことをお奨めします。

また浴槽内部には、ハンドグリップを取り付けることをお奨めします。浴槽の底は滑りやすく、入浴中は浮力も働き、不慮の転倒などのおそれが考えられます。そのために身体の安定を維持するハンドグリップが必要なのです。ハンドグリップは様々な形状のものが採用されていますが、デザイン的に平凡ではあるものの、垂直に取り付けた棒状のものが握るのに適しているといえます。

写真1 ハンドグリップ 写真2 ハンドグリップ付き浴槽

入浴には単に"身体を洗う・清潔にする"ということの他にもいろいろな意味があり大切な行為です。より快適に入浴を楽しむためには"安全・安心"がもっとも大切でしょう。
今回のポイントを浴槽選びの助けにしてみてください。

ものを語る 工業デザイナー さかもとてつじさん

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