一般的にはあまり認識されていないようですが、浴室は大変危険な場所です。特に高齢者に多いのが転倒事故で、その死者は年間約3000人を超えるといわれています。具体的なケースとして、洗い場での所作時の転倒や浴槽内でのすぺりが上げられますが、中でも最も多いのが浴室出入口り時の転倒なのです。
いざ浴室に足を踏み入れた瞬間、足がすべった経験をお持ちの方は多いでしょう。
![]() フローピア浴室入口 |
段差を踏み越える際、片脚を大きく上げることは、一時的であっても不安を強いることになります。しかし、段差を解消すれば、たとえ脚力が衰え、不安定な体幹バランスを保つためにすり足になったとしても、それほどの不安を覚えることなく浴室に入っていけるようになります。
また、介助を得て浴室に入る場合も段差は大きな障害(バリアー)になりますが、段差がなければ車いすごと浴室に入っていくことができるのです。
浴室の出入り口の段差をなくすことは、危険を取り除き、安心して入浴するための必須事項と言うことができます。この必須事項を満たしたバリアフリー設計の浴室が、「フローピア」なのです。
また段差だけでなく、洗い場床面が水に濡れているといった床面の状況も、浴室での転倒の原因として考えられます。現在の「フローピア」は20年前とは異なり、床面の構造が改善された”カラリ床”で水はけが格段に良くなったので、濡れているときと濡れていないときとの変化も少なくなっています。
更に、万が一身体のバランスを崩した場合のために、身体を支えてくれる手すりも必要です。「フローピア」はこの点にも配慮し、出入り口に手すりをつけた設計になっています。
![]() カラリ床 |
このように「フローピア」は浴室空間全体をバリアフリー設計にすることで、浴室での転倒の危険を総合的に解決することができました。高齢者が生活する目線にあわせて空間設計された、「使いやすく」、「安全な」浴室。
それがニューバスルームの発想から生まれた、「フローピア」なのです。
さて今回は「フローピア」誕生までについてお話しました。しかし、現在のユニバーサルデザイン浴室「フローピア」の形になるまでには、まだまだ解決しなければならない問題がたくさんありました。段差解消システムバスルームの歴史は、まだ始まったばかりだったのです。そのことについては次回にお話したいと思います。