プロジェクト活動の様々な研究・調査や議論を進める中で、2つの問題点が浮かび上がりました。
1つ目は、生活に最も密着した水まわりが居室や寝室から離れた場所にあることです。高齢になると足腰の衰えが顕著になるので、移動の際に、わずかな段差でもつまづくおそれがあります。そして、夜間のトイレ・通路の「寒い」「暗い」「狭い」も大きな問題です。そこで、水まわりを寝室に隣接(あるいは近接)させることで、これらの問題を解消しようと考えました。
2つ目は、水まわりの介助スペースの問題です。水まわりは住宅内の狭いところを仕切ってますます狭くなっているので、介護が必要になった場合、介助者の入るスペースを確保することが困難です。これについては、実際に作業場でいろいろなレイアウトのトイレ・浴室・洗面所を造作し、検証を重ねたのですが、問題を解決するレイアウトパターンを見出すことができず苦慮していました。しかし、ある時「こんなに邪魔になる壁なんていっそのこと外してしまえ!」と仕切りの壁を全部撤去。そうすると目の前には、トイレ・浴室・洗面を区切っていた壁のないワンルームの空間が出来上がっていたのです。
これが、【ニューバスルーム】誕生の瞬間でした。ワンルームにすることで、同じ面積、あるいはもっと小さな面積で、ゆったりした快適な水まわり空間になることに気付いたのです。
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試行錯誤の中で生まれた新発想「ニューバスルーム」には、大きく3つの特長があります。
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(1)トイレ・浴室・洗面を壁で仕切らずワンルーム空間にし、床はフラットとする。これにより、それぞれの空間がひろくなる。
(2)トイレ・洗面部と浴室部との仕切りは3枚引戸とし、開放すれば浴室スペースに広い介助空間ができる。このため“水まわり用車いす”などの取りまわしが可能となる。
(3)トイレ・洗面部と浴室部を仕切る3枚引戸の床のレール部には、グレーチング付きの排水ピットを設けることにより水仕舞いのための段差を解消している。ワンルーム内の床面はフラットとなり、浴室への出入りが安全となる。
※グレーチング:浴室の排水溝などに用いられる格子状のふた。
※排水ピット:浴室の排水用の溝。