そのため、私が以前より提唱していることは、新築時に将来トイレを設置すると考えられる位置に給排水管や電気配線をまわしておくということです。最近、将来の2世帯化を考え、キッチン用の給排水管をまわしている家が増えているとの事ですが、まさにそれと同じ考え方ですね。将来、介護が必要となったとき、押入れをトイレに変えられる様にしておくということです。
ポータブルトイレと押入れのトイレ、私たちから見れば数歩の違いであまり変わらないような気がしますが、その数歩を歩くということは、Tさんにとっては、格段に違っていたのです。また、居室で用を足すポータブルトイレではなく、近いながらもトイレとして別に設けられた部屋で用を足すことで、メンタルな部分での自立がすすんだ事例でした。
今回紹介した事例が、一番正しいという訳ではありません。手すりをつけてトイレへのアクセスをしやすくする。数歩は歩けないけれど、ベッドからポータブルトイレへは移乗できるから、オムツは使わずポータブルトイレで用を足す。人それぞれ、排泄行為に関しては様々なパターンがあって当然です。そのパターンに対応できるよう、排泄をサポートできる選択肢を少しでも多く持つことが大切ですね。