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生活の中のユニバーサルデザイン

第9回 排泄の選択肢を増やす押入れトイレ

2. 押入れにトイレ

現在では、事例のように押入れにトイレを増設する際、便利なユニット式になっている商品も販売されています。こういった商品ですと、間口は押入れの幅と同じですので、部屋側に引き戸を設置することで、出入り口を大きくとることができます。引き戸を上手に使えば、介護する時、前後からアプローチすることが出来ますし、お掃除の時も便利ですね。
また、トイレの機能だけでなく、失禁などの時に簡単にお尻を洗ったりできるように、シャワーを併せて設置しておくとより便利です。但しこういった商品を設置する際、商品本体の価格に併せて工事費が発生することに気をつける必要があります。これは、トイレを増設することで、新たに給排水工事が必要となるからです。
写真1 トイレ説明 クリックすると拡大します
押入れトイレルーム

そのため、私が以前より提唱していることは、新築時に将来トイレを設置すると考えられる位置に給排水管や電気配線をまわしておくということです。最近、将来の2世帯化を考え、キッチン用の給排水管をまわしている家が増えているとの事ですが、まさにそれと同じ考え方ですね。将来、介護が必要となったとき、押入れをトイレに変えられる様にしておくということです。

3. 数歩の違いで、ADLの向上につながる!?

ポータブルトイレと押入れのトイレ、私たちから見れば数歩の違いであまり変わらないような気がしますが、その数歩を歩くということは、Tさんにとっては、格段に違っていたのです。また、居室で用を足すポータブルトイレではなく、近いながらもトイレとして別に設けられた部屋で用を足すことで、メンタルな部分での自立がすすんだ事例でした。
今回紹介した事例が、一番正しいという訳ではありません。手すりをつけてトイレへのアクセスをしやすくする。数歩は歩けないけれど、ベッドからポータブルトイレへは移乗できるから、オムツは使わずポータブルトイレで用を足す。人それぞれ、排泄行為に関しては様々なパターンがあって当然です。そのパターンに対応できるよう、排泄をサポートできる選択肢を少しでも多く持つことが大切ですね。

ものを語る 工業デザイナー さかもとてつじさん

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