ここから本文です
生活の中のユニバーサルデザイン

第7回 知る人ぞ知るバリアフリー便器の歴史と使い方

3. こんな使い方もあります。

※写真をクリックすると別ウィンドウで大きく表示します。

排泄行為は必ずしも椅子に座る(腰掛け便器)、しゃがむ(和風便器)姿勢で行われるとは限りません。身体が不自由で座位姿勢を保てない方もいます。
 図3は便器(C-111)を床面に埋め込んだものですが 、 仰臥姿勢(仰向けに寝た姿勢)で、あるいは座位姿勢でも脚を前方に伸ばしたままの姿勢でおしりを便器の上にのせ、使用できるようにしたものです。 一般的には車椅子から便器を取り付けた床面に移乗。その後、便器に“這いよる”又は“いざリ寄り”ます。便座穴が細長いためおしりが便器に落ち込まず、またおしりの位置が多少ずれても使用できる、さらに便器の前後方向に関係なく使用できるというメリットがあるようです。
イラスト3 便器の説明3 クリックすると拡大します
(図3)

4. 笑い事ではありません

C-111は1971年「身体障害者用便器」としてカタログ等で紹介されました。
 当時は“バリアフリー”などの概念も存在せず、社会全体として障害者に対する理解が不足していました。そんな状況の中で、ある視覚障害者施設のトイレにC-111が取り付けられてしまったことがあります。便器を採用した関係者にとって「視覚障害者」も「脊髄損傷者」も「脳性まひ等による肢体不自由者」もみんな同じ“身体障害者”だったのです。
商品を提供したメーカー側にも責任の一旦はあるでしょうね。
現在ではとても理解に苦しむ事実であり、また30年前の古い話ですが“笑い事”として済ますわけにはいきません。今でもこれに似たことがあちらこちらで起こっているように思うからです。

5. 日本独自の便器です。なぜ?

このようにユニークかつ使い道のある便器ですが、腰掛け便器の先輩である欧米ではこのような便器が存在しません。(欧米でも便器をまたぎ、馬乗り姿勢で使用するケースはあるのですが一般の卵型形状の便器を使用しています。)
その理由は調べた事も無く、定かではありませんが、はっきりしていることはC-111は一時代前の日本文化の象徴“しゃがみ式便器”を原形として生まれたものであるからでしょうか。平面形状から推察できるように、サイホンゼット式和風便器の“きん隠し”を取り去ったものが原形となっているのです。

ものを語る 工業デザイナー さかもとてつじさん

WEBセミナーに戻る

目次に戻る

河添さんのセミナーを見る

本文終了です
楽&楽計画どっとこむについて初めてサイトをご覧になる方へカタログ請求ご意見・お問い合わせ
| サイトマップ | プライバシーポリシー |