第7回 知る人ぞ知るバリアフリー便器の歴史と使い方
1. C-111(障害者用便器)をご存知ですか?
※写真・図をクリックすると別ウィンドウで大きく表示します。
この便器は肢体不自由の身体障害者の方が社会生活を営みながら治療、リハビリを受ける福祉施設用として開発されたため、当初はコロニー(Colony)便器と呼ばれていました。
一般の便器を上から見ると、座面が卵形をしていますが、C−111(写真1)は細長いドーナツ形状です。その理由は2つあります。
1つは一般便器のように腰掛けるのではなく、便器をまたいで(馬乗りになって)使うためです。
健常者の場合、前方から便器に近づき、体の向きを変えて便座に座りますよね。しかし車椅子使用者で、体幹バランス保持が出来ないような人の場合、便器の前で方向転換ができません。そのため車椅子を便器に接近させ、そのまま便器へ移乗します。(図1) |

(写真1) |
2つ目の理由は、後始末しやすいように配慮したためです。
便座を細長くすることにより便座穴も細長くなり、座ったままでもおしりの前方、あるいは後方に紙等を持った手を局部に挿入する空間ができるようになっているのです。後始末のみでなく座薬、浣腸を必要とする場合にも便利でしょうね。
更に、施設などでは排泄中も体のバランス保持が出来ない方がたくさんいます。この場合介助者が後ろから体を支えますが便器に「二人乗り」の状態で使用するケースもあります。 |

(図1) |
2. いろいろな種類が製作されました。
| 当初、「肢体不自由児用」として開発されたため、便器の座面高さは現在の一般便器より30mmほど低く出来ています(便器本体の高さ=340mm)。その後、この便器の利用価値がみとめられ車椅子から便器への移乗がしやすいように車椅子の座面高さと同じ高さのものが製作されました(C-111TA、座面高さ=450mm)最近では座面を高くする機能と柔らかくする機能を併せ持つ「やわらか便座」(写真2)も開発されましたが、とても良い商品だと思います。 |

(写真2) |
| また、施設などでは便器の中に異物が投入され、便器の排水のトラップ部が詰ってしまうケースがあります。対応策として詰った異物を取り出すことのできるような「点検口付き便器」も製作されました。(図2) |

(図2) |