ウォシュレットが普及した後、"レストパルスタンドシリーズ"のように、背もたれやアームレスト付の便器が出て、進化を続けているトイレですが、ホームへルパーとして日頃、介護にかかわる中で、実感している問題が2つあります。
1つは「便器の座面高さ」の問題、2つめは「トイレの空間(主として広さ)」の問題です。
まず「便器の座面高さ」について考えてみたいと思います。
便器の座面高さは、約40cmが住宅では一般的です。しかし、その高さに、小さな子供から背の高い大人まで誰もが合わせて使っています。
80才を超えた高齢の女性の中には、身長が140cmにも満たない下腿高さも低い人がいます。下のイラスト(B)のように、便器の座面が高すぎるために、足が床につかなかったり、奥まで座れず便座の手前にちょこんと座って用を足す場合もあります。この姿勢のために、用便の後始末が自分でできずに、介助者が必要となることも多いのです。
一方、イラスト(C)のように 180cm を越えるような大柄で、足腰に障害を持つ男性は、座面が低すぎるために、脚への負担が大きく、立ち上がることができずにトイレの利用を少なくしてしまう方もいます。
本来自分の使いやすい高さに合わせられれば良いのですが、便器は給排水管に接続するため、昇降できる椅子のように自由に高さを変えることができません。
問題解決のためのハードルは高いのですが、特に加齢や障害で便器の立ち座りが辛い人には、座りやすい基本動作に対応した便器が必要でしょう。ユニバーサルデザインのために高度な技術と努力が払われることが期待されますね。