家族の誰かが車いすを使用することになったとき、介助負担を減らすためにスロープをつけることがあります。しかし、今まで階段だった場所をスロープにしてしまう改修では、ベストとはいえません。
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| 中庭 | 駐車スペース横 |
そんな時、前回お話したオールマイティに使える空間が役に立つのです。オールマイティに使える空間は家の内部だけにではなく、屋外にも設けておけば、スロープ増設などに利用することができます。これなら階段を壊す必要はありません。
拙宅では、駐車スペースの横に樹木を植えてあるのですが、いざというときにはそこに傾斜の緩やかなスロープを設置できるようにしてあります。駐車場の出入り口もはじめから間口を広く取ってあるので、車いすの場合はそこから入り、スロープを通って玄関までくることが可能です。
しかし、介助者がいる場合はスロープでも有効ですが、自操の場合にスロープを上るのは大変です。拙宅では、自操も想定して、段差解消機を設置できる空間を中庭に確保してあります。中庭は屋根つきで、洋室と和室の間に設けてあり、今は植栽してあります。しかし、いざというときは中庭に面した窓を取り外し、そこから段差解消機を利用し、車いすで入ってこられるような空間づくりをしています。
車いすの使用を想定する場合でも、一経路だけを確保するのではなく、「自操の場合」と「介助者がいる場合」の二つを想定しておくと、将来さまざまなケースに対応できると思います。
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今回は、玄関までのアプローチについてお話しました。住まいづくりを考えるとき、家の外の空間は意外とおろそかにされてしまいがちですが、いくら内部に適切な配慮がなされていたとしても、外にアクセスできなければ、ベストだとはいえないでしょう。玄関から道路までの空間づくりがしっかりとなされていれば、車いすや歩行機能が低下した方などでも、買い物や友人とおしゃべりするために外に出て行くことができます。活動的で豊かな生活のためには、家の外側の空間づくりにも配慮することが大切なのです。アプローチについて考えるときは、家族みんなの生活のことにも配慮することを忘れないでくださいね。誰か一人のために残りの家族が我慢するのではなく、みんなが生活しやすい住まいづくりを心がけるようにしましょう。
次回は、玄関と廊下、階段の配慮ポイントについて、お話したいと思います。
1.玄関までのアプローチには、将来、外用手すりがつけられるようになっている?
・・・アプローチでは、段差解消だけが重要なのではありません。例えば、歩いて玄関まで入っていくことを想定するならば、足の機能が低下した場合スロープでは危険です。スロープよりは、段差の低い階段で、手すりのような固定支持物を設置することをお勧めします。手すりがあれば、階段でも体重を支えて、上がってくることができるのです。
2.アプローチの階段は、幅が広く高さの低い階段ですか?
・・・普通の階段では、足の機能が低下した場合、上り下りに負担になります。また、車いすの場合は、屋内に入ることが不可能になってしまいます。スペースに余裕があるならば、階段の幅は1メートル程度とるようにしましょう。そうすれば、脚力が衰えた場合や車いすでも使用できるアプローチになります。
また、もしも幅のある階段をつくるほど空間に余裕がない場合は、段差解消機を設置できるスペースだけは、今から確保しておくようにしましょう。