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困ったときに知っておきたい人の動き
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第22回 快適に寝るために〜用具の選び方2

 

3.高性能・高品質のやわらかいマットレスが万能なのではない!

 

前章で少し触れましたが、床擦れ予防のために体圧分散性に優れた高性能のウレタン製マットレスやエアーマットレスを使用するということが良くあります。しかし、身体機能を低下させてしまう場合もあるので、使用の際にはよく考えて用いなければならないでしょう。
たとえば高性能のウレタン製マットレスは、圧力を分散するために身体を包み込んであげるという仕組みになっているので、一般的なマットレスよりも厚さが増します。すると、前回お話したように、厚みがでてくることで足を床につけることが困難になるので、ベッドから離れにくくなってしまいます。また、ウレタン製もそうなのですが、特にエアーベッドは安定性がなく動きにくいので、動作を阻害してしまいます。
床擦れ予防のために高性能のマットレスを入れてしまうと、寝心地のよさは確保できるけれど、その分寝たきりを助長させてしまうということにもなりかねないのです。
寝返りさえできれば、高性能のマットレスを使用しなくても、床擦れを予防することはできます。実際に床擦れがあって、動きよりも治療を優先する場合には仕方のないことですが、活動的な生活を確保するためにはこのようなマットレスを多用することは避けるべきでしょう。

 

4.快適に寝る用具はマットレスだけじゃない!

 

イラスト4 クリックすると拡大します

もし、どうしても身体が安定しなかったり、自力で寝返りができなかったりする場合には、マットレスだけではなく、ポジショニングピローを用いても良いかもしれません。たとえば、腕をのせる場所をピローでつくってあげるとか、膝を伸ばしっぱなしにするのではなく、膝の下にピローを入れてあげるとか、それだけでも身体は安定します。肩の下にタオルのようなものをチョット入れるだけでも、身体は楽になるはずです。
マットレスは平面で身体を支えるものなので、快適さにはやはり限界があります。立体的に身体を支えてあげたい部分には、すこし硬めのピローを使用したり、体重を分散させてあげたいところには、やわらかいピローで包み込むようにしてあげたりといったように、ポジショニングピローをうまく利用し、快適な睡眠を取れるようにしましょう。

 

 

夜間快眠できないと、一日を活動的にすごすことができません。睡眠は、なによりも大事なのです。ベッドの導入を考えるとき、マットレスのことは二の次になってしまうことが多いのですが、本当はマットレスのことも考えて選んでいかなくてはなりません。現状はまだ動作能力を補うという基準を前提にしてベッドが選ばれていますが、動作能力を補助する時間よりも寝ている時間の方が長いわけですから、睡眠を快適に取ることができるものを提供してあげたうえで、動作を支援しなければならないと思います。

今回はそれぞれの身体の状態にあった上手な選び方についてお話しました。しかし、好みは人それぞれ違うものですから、あなたにはこのベッドがいいですよとは必ずしも確定的に申し上げることはできません。快適な空間を作る可能性は、あなた自身の選択にあるのです。今回の話を参考にして、皆さんがそれぞれ満足することができるマットレスを是非見つけていただければと思います。

ひとを語る 理学療法士 かわぞえりゅうしろうさん

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