前回、「寝具として快適なものを選ぶ」ということが、「寝る」ための道具選びのポイントであるとお話しました。
しかし、快適さの感じ方は人によって異なるものですし、身体の状況によっても変わってきます。まずどんな用具があるのかを知って頂いて、その上でマットレス選びのポイントを活かして、それぞれの方に合った快適な用具を見つけましょう。
というわけで、今回は皆さんに用具を快適に使いこなしていただくためにも、寝具の上手な選び方の一例をご紹介したいと思います。
マットレスを選ぶとき、寝心地の良さや保温性・通気性を重視しなければならないことは前回お話しました。しかし、快眠には「寝返り」も忘れてはならないでしょう。どんなに寝心地の良いマットレスであっても、寝返りもできずに同じ姿勢をしていなければならないとなったら、それでは決して快適だとはいえません。マットレス選びには「寝返り」など、動作のしやすいものを選ぶことも重要なのです。
以前※お話ししたように、マットレスが硬すぎたりやわらかすぎたりすると、動き出すのに大きな力が必要になるので、「寝返り」が難しくなってしまいます。「寝返り」には、少ない力で楽に動き出すことができるように適度な硬さがあるとよいでしょう。※(側臥位のポイント〜3、「寝返りを楽にするためには」)
マットレスを選ぶときは、
1寝心地の良いもの
2動作(「寝返り」)のしやすいもの
3夏場は通気性、冬場は保温性の良いもの
といった三つの基本的なポイントを考慮し、実際にいろいろ試した上で選びましょう。
マットレス選びでは、使う人の身体の状態に合わせて選ぶことも大切です。
動作は不安定だけれど、短い距離であれば自力で移動することができ、寝返りや立ち上がりも一人でできるという方には、硬すぎもやわらかすぎもしない、動きやすいマットレスを使用することをオススメします。このマットレスですと安定感も確保できますし、動作もしっかり受け止めてくれるので、必然的に離床を促され、活動的になります。
用具の助けや介助によって、寝返りや起き上がりができ、車椅子を自分で操作することもできるという方には、安定性を確保できる少しやわらかめのマットレスを使用することをオススメします。このマットレスですと、夜は快眠することができますし、また日中はベッド端座位も保持することができるので寝たきりになりにくくなります。
用具の助けや介助がなければ、寝返りや起き上がりをすることができず、一日の大半をベッドで過ごすという方には、体圧分散に優れたやわらかめのマットレスを使用するとよいかもしれません。このマットレスですと身体の圧力が一箇所に集中することはないので、床擦れになりにくいという利点があります。しかし、快適に寝ている姿勢を保てるからといって、寝たきりでよいというわけではありません。生活を豊かなものにするためにも、日中はベッド背上げなどをして活動的な姿勢を作ってあげましょう。