(3)スリーモーターベッド
図4 |
高さ調節と背上げと膝上げの機能を、3つのモーターでそれぞれ別々にコントロールできるベッドです。(図4)
背上げだけでは足下にずり落ちてしまい、そのあとの介助が大変ということがあります。このような場合には、背上げと膝上げを別々に操作しずり落ちを防ぎます。まず膝を上げて身体がずり落ちることを防ぎ、背中を上げて身体を起こしていきます。しかしそのときに背と膝の間に挟まれ苦しさを感じることがあります。その場合には一度身体を抱き起こし、苦しさを取り除いてあげます。
このタイプのベッドは背上げでの起きあがりでずり落ちて姿勢を整えることができない場合に必要となります。
(4)フォーモーターベッド
図5 |
図6 |
背上げと膝上げの機能がついていて、高さの調節を足の方と頭の方で別々にコントロールできるベッドで、急性期医療の病院などに設置されています。(図5、6)
血圧が低下したとき、頭に血流を向わせるために頭の方を下げるために使ったりなど医療的な処置で必要となります。それ以外では、海外でよく用いられる方法として面会者がきた時など、頭の方を高くし、足の方を下げてあげると、わざわざ起き上がらなくても目線を合わせて会話をすることなどができます。
この他に、ベッドがどうしても嫌だという人のために、畳の上に敷いたふとんの下に機械部を敷きこんで、背上げだけをしてくれるという道具もあります。
部屋を暖めてあげることが、間接的に起き上がりを助けることにつながるということは初めにお話しました。しかし、環境を整える工夫はそれだけではありません。
たとえば、片マヒの人などで、ふとんをはぐための力はあるが、何枚も重ねてあるために一気にはぐことができないという場合には、ふとんと毛布を1枚のふとんカバーのなかに入れ、1つにまとめると良いでしょう。この時、ふとんと毛布がズレないように6か所くらい縫い合わせてあげると、とても起き上がりやすくなります。このように、ベッドの機能だけでなく、環境を整えることで、もっと上手に起き上がることができるようになります。
さて、今回は基本的な4つのタイプのベッドについてお話しました。現在では、各メーカーが色々と工夫をこらしたベッドを考えているので、使用する前に色々と試してみて、身体にあったものを選んでいただくと良いでしょう。介護用ベッドは確かに機能も大事ですが、寝具でもあるわけですから、寝心地が良いということも選ぶ基準に入れてくださいね。また実際ベッドを使うときには、ふとんなどにも気を使い、みなさんが生活しやすくなるように工夫していただきたいと思います。起き上がることは1つの動作なのですが、同時に1つの生活の行為でもあるのですから。
さて次回は、今回お話した介護用ベッドの機能を上手く用いた、より簡単に起き上がる方法についてお話したいと思います。