前回までに、ふとんよりベッドの方が起き上がりやすいことは、お話しました。
しかし、起き上がりを助けてくれるのは、ベッドだけではありません。私たちの生活環境そのものも、大きく関係しているのです。
たとえば、病院では上手く起き上がることができても、実際に家に帰ってきて同じように起き上がろうとするとうまくいかないということがあります。この1つの要素として、病院に比べ家の室温が低いため、ふとんを重ねすぎてその重みで上手く起き上がることができなくなってしまうことや、着ている服が多くなり動きにくくなることなどがあげられます。このような場合には、部屋を暖めて、ふとんを少なくすることや動きやすい服に替えることも、起き上がりを助けることになります。
一方で、介助がないと起き上がることができない人にとって、多機能な介護用ベッドは起き上がりを助ける道具として有効です。そのためには、機能・効用を十分理解した上で、生活の中でうまく使いこなしていくことが大切でしょう。
介護用ベッドと一言に言っても、機能の異なるさまざまな種類のものがあります。基本的には、いくつのモーターがついているかで、機能が異なります。身体状況にあわせ、それぞれの機能の介護ベッドを選んでいくと良いでしょう。
(1)ワンモーターベッド
図1 |
モーターが1個ついているタイプで、ベッドの高さ調節だけができます。(図1)
ベッドの高さが高い方が少ない力で立ち上がることができるので、起き上がることはできても立ち上がることが難しいという人に向いています。
図2 |
ワンモーターベッドにはもう1つのタイプがあって、高さ調節の機能はなく、起き上がりを助ける背上げの機能だけがついているものがあります。(図2)
身体を起こすのがちょっと難しいという人や、夜中にトイレに行く時など、ふとんをはいでいくのが大変だという人に向いています。
(2)ツーモーターベッド
図3 |
高さ調節と背上げの機能を、2つのモーターでそれぞれコントロールできるベッドです。(図3)
最近のツーモーターベッドは、背中を起こした時に身体がずり落ちることを防ぐため、背中が上がるのと合わせて膝も持ち上げてくれるものもあります。ただし、膝を上げる機能は、背中を起こすモーターに連動しているだけですので、膝だけを上げるということはできません。
立ち上がりやすくするために高さも変わって、かつ起き上がりも助けて欲しいという人は、このタイプのベッドを使用すると良いでしょう。