(3)両足駆動
両足を使って進んでいく方法が、両足駆動です。この場合、両足でこぎ、両足を使って方向転換します。この操作の場合も足が床につかないと困りますので、片手片足駆動と同じように座面の低い車いすを使用します。座角度も小さくすることが望ましいでしょう。また、この操作では二本の足でこぐことになるので、両足のレッグサポートを取り外すことができる車いすですと、方向転換もしやすくなり操作性も一段と上がります。操作の際には「姿勢のくずれがないこと」、「キャスターが足に干渉しないこと」に注意しましょう。
片手片足駆動と同じように、身体をしっかりと前に倒して操作しなければならないので、アームレストで身体をしっかりと安定させることも大切です。
身体を前に倒したままで安定した姿勢を保ちながら足でこぐことができれば、両足駆動で上手に移動することができるでしょう。
車いすでの上手な移動の方法について、おわかりいただけたでしょうか?上手に移動するためには、まず姿勢を安定させることが大事です。姿勢を安定させるためには、アームレストの高さや座面の高さ、車軸の位置など、車いすが自分の身体のサイズにあっていなければなりません。ですから、まずは自分にあった車いすを選ぶことが一番大切なのです。
車いすの特性を把握しておくことは、快適で安全に移動できる車いすを選ぶ目安になります。まずは「旋回性」、「操作性」、「安定性」という3つの点から、車いすの特性について見ていきましょう。
車いすに座るとき、重心の位置が前方にあるか後方にあるかで、「旋回性」、「操作性」、「安定性」は大きく違ってきます。例えば、車いすの前方にちょこんと座っているような場合は、座面に対して重心が前方にあるため、旋回しづらく、操作するためにたくさんの力を使わなくてはなりません。ただ、深く座っているのに比べると、車いすごと後ろへ倒れる危険もなく、後方は安定しているといえます。
それに対してしっかりと深く座り、重心が後方にあると、旋回もしやすく、あまり力を使わなくても操作することができます。ただ、あまり深く腰掛けすぎてしまいますと、後方に倒れてしまう危険性があるので注意しましょう。
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また座面の角度を少し変えるだけで、姿勢の「安定性」は随分と変わってきます。角度が小さいと前方に重心がかかり、姿勢は不安定になります。それに対して、角度を大きくすると重心は後方に移動し、姿勢は安定します。しかしあまり角度を付けすぎると、今度は後方へ倒れてしまう危険がありますので、適切な角度を選ぶことが大切です。
最後に車軸の位置についてですが、車軸の位置一つで重心が変化し「旋回性」「操作性」「安定性」に違いが出てきます。車軸が後方にあると、後ろには安定しているために転倒の危険は減るのですが、旋回しづらく、車輪と手の距離が遠くなるため操作もしづらくなります。それに比べて車軸が前方にあると、旋回もしやすいですし、何より車輪と手の距離も近いので操作もしやすくなるのです。ただし、後方へは不安定ですので、あまり車軸が前にありすぎても、後ろに転倒する危険が出てきてしまいます。ですから、後方に安定するのに適切な位置に車軸があり、なおかつ操作しやすいものを選ぶと良いでしょう。
このような車いすの特性をしっかり理解した上で、自分の身体の寸法にあった車いすを選ぶことをお勧めします。身体のサイズにあっていない車いすは操作するのが困難ですし、なにより快適で安全に移動をすることに適切ではありません。まずは、自分の身体のサイズにあった車いすに乗ることが、正しく移動するための第1歩なのです。