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困ったときに知っておきたい人の動き
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第16回 『歩く』ってどんなこと?<3>
困った時に知っておきたい歩行用具の選び方

1.歩くことを助けてくれる用具は杖だけじゃない!?

足が不自由になってきたのでとりあえず杖を使ってみたが、上手く歩くことができない。なかには杖を使って一生懸命歩いていたけれども、苦痛になってしまったという人もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください!歩くことが困難になったのは、老化や怪我などが原因でしょうか。実は用具の選び方に問題があったということもあるのです。 ですから色々な用具を試し、自分にあったものを選んで歩くことをお勧めします。歩くことができれば、行動範囲も広がり、生活にも楽しみが増えますから。

前回は主に一本杖を使った歩き方についてお話しましたが、今回は色々な歩行補助用具の特長と使い方をご紹介します。 自分にあった用具を選ぶためにぜひ参考としてくださいね。

2.どんな用具を使えばいいの?

その人にあった歩行補助用具の選び方

歩行を補助してくれる用具は、私たちがよく見かけるような、一本杖だけではありません。杖だけでも様々な種類のものがありますし、杖以外でも、歩行器、歩行車など実に様々なものがあります。

1.T字杖(一本杖)

イラスト1

一本杖は手首全体に体重がかかるため、ひじと肩が動揺しやすくなります。ですから、あまり体重を支えるのには適していません。体重を支えてあげるというよりは、基底面を広げてあげる役割の方が大きいといえます。ひじと肩に力を入れることができて、基底面を広げて安定性を増したいという場合には、一本杖を選んであげると良いでしょう。

 

2.多脚杖

イラスト2

この杖は、点で体重を支えるのではなく面で支えてくれるので、一本杖よりも動揺が少ないといった利点があります。より安定性を増したい場合は、この杖を選んであげると良いでしょう。 ただし、多脚杖は杖に対して真上から体重をかけなければ、安定性を確保することができません。しかしこれでは、歩く姿勢をくずしてしまう恐れがあるので、あまりおすすめできません。患側(悪い方)の足にまったく体重をかけられない人が使う場合には、用いてもよいかもしれませんが、ある程度患側の足に体重をかけられる人の使用には十分注意してください。

 

3.ロフスランド杖

イラスト3

この杖は、ひじが固定されているため、ひじの力をあまり使わないですむという利点があります。さらに、ひじで固定されているので、ひじから下の手を自由に使えるといった利点もあり、ひじに力が入らないために、一本杖は使いづらいといった人には、この杖が適しているでしょう。

 

4.松葉杖

イラスト4

今まで紹介した杖は、片側だけで支持するものでしたが、松葉杖は両側から支持する杖です。この杖は、体重を脇で支えることによって、ひじと肩の動揺を減らすことができるといった利点があります。ひじと肩にあまり力が入らないといった方には、この杖が適しているでしょう。松葉杖を使うときは、脇の下に指が2,3本入るくらいの隙間を空けて、脇をしめることによって体重を支えるようにします。 脇の下には血管や神経があり、体重全体を脇の下で支えてしまっては、麻痺などを起こす恐れがあるからです。

 

5.歩行器

屋内の歩行器には、固定型と交互型があります。固定型は4本の足がついていて、それを持ち上げて歩いていくといったタイプのものです。両足でなら身体を支えられるが、片足だけでは支えられないといった人に適しています。 一方交互型は、固定型と同様に身体をあずけることができますし、左右のフレームを交互に前に出せるので、固定型よりも歩くのに適しているでしょう。足を交互に出すことができる人は、交互型がおすすめです。 この他に固定型で前輪キャスターがついているものもあります。固定型を持ち上げる力はないけれども、足を交互に出すことができるといった人は、このタイプを用いると良いでしょう。 歩行器は、支持基底面が広いので安定性が増すといったメリットはあるのですが、大きいものなので空間を取ってしまうというデメリットもあります。

イラスト5の1 イラスト5の2 イラスト5の3

 

6.歩行車

イラスト6

屋外用の歩行器を、一般的には歩行車といいます。4輪のものや6輪のものがあり、握り手があってフレームの中に身体が入る形状をしています。基底面を広げてくれるので、歩くのに安定性を増すことができます。 屋外で、杖よりも安定性を保って歩きたい時に用いると良いでしょう。

それぞれ特長と使い方をご説明してきましたが、どの用具が自分に適しているのか、だいたいの見当はつきましたか? 用具を使えばまだまだ歩けるという方には、自分にあった用具を選んで頂くことで、より活動的になっていただきたいと思います。活動的になれば、きっと楽しみも増えるはずですからね。 次回は、歩行介助の仕方についてご説明します。

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