皆さんは足が怪我などで不自由なときも、正しい歩き方をしていますか?そんなときこそ体重移動や重心の位置などに気を配った、正しい歩き方を心がけましょう。
変な歩き方をしていると、歩くことが苦痛になったり、それが癖になり、腰痛や肩こりなどを引き起こすこともあるからです。
前回は、正しい歩き方のメカニズムについてお話しました。
今回は応用編として、歩く時の補助用具の正しい使い方についてお話します。
例えば、脳血管障害などで片足が麻痺している人は、軽度の方であっても足首を持ち上げる機能が低下しやすいのです。足首を持ち上げることができないと、つま先から地面に接触してしまうので、前回お話した「ヒールストライク→トゥーオフ」という一連の足の運びがほとんどできません。これでは歩くための推進力を止めてしまい、健康な足だけで歩くようになり、体重を支えることが難しくなります。また、つま先が地面に引っかかり、転倒の危険もあります。
そこで足首を自分で持ち上げることができない方には、足首を固定してあげるようなプラスチック製や靴型の下肢装具(歩装具)をおすすめしています。
一般的には装具をつけることで、足首を90度から上のほうに5度くらい上がる角度で固定されるので、足は自然とかかとから落ちてくるようになり、体重を前にもっていきやすくなり、推進力を使ってスムーズに歩くことができます。また、転倒などの危険を避けられます。
装具を使わずに自分の力で歩くことが、老化の防止につながると思われる方も多いと思いますが、実はそうではありません。もちろん、足首が不自由でないのにつける必要はありません。しかし、足首を持ち上げることができないのに装具をつけずにいると、転倒する危険があります。
ですから装具を使ってでも正しい歩き方に近づけ、しっかりと胸を張って、背中を延ばし、かかとから地面に足をついていく歩き方を習慣づけると、歩き方はいつまでも綺麗ですし、体も維持されるので、老化防止になるのです。
正しい歩き方に近づけさせるためには、下肢装具だけではなく、様々な歩行補助用具を使うことも有効です。ここでは歩行補助用具の正しい使い方についてお話しましょう。
代表的な歩行補助用具としては、杖(T字杖、一本杖)が上げられます。片麻痺の人が杖を使う場合、基本的に杖のような支持物は、健側(悪い方とは反対側)の方に持たせます。ただその場合、患側(悪い方)の足が、自分の体重の半分くらいを支える力がないといけません。
患側の足に体重を半分のせることができれば、健側に杖を持つことで基底面を広げ、杖に患側の体重をもう半分のせ、健側の足をスムーズに前に出せるようになります。
杖にはT字杖だけでなく、松葉杖、ロフストランド杖、多脚杖などがありますが、基本的には健側の方に杖を持って身体を支えてあげましょう。そうすると基底面は広がり、身体は安定し、健側の足が速やかにでてくるのです。