身体を自由に動かすことのできる人は、座っているのも立っているのも辛そうな人がいたら、とりあえず寝かせてしまうかもしれません。しかし寝ている姿勢が、他の姿勢に比べて一番安定しているからといって、ただ寝転がっているだけではリラックスできないということは前回お話しました。ですから、寝ることが苦痛にならないためにも、安定した姿勢を維持できるような質の高い環境を作ってあげることが必要なのです。
また、いくら仰向けで安定した姿勢を保てるような環境を作ってあげたとしても、24時間同じ姿勢のままでいたら辛くなってしまいます。寝る姿勢が快適な姿勢であるためには、ただ仰向けで寝かせるだけでなく、様々な工夫をしてあげなくてはならないでしょう。
寝返りさせてあげること、違った「寝る」姿勢でも安定させてあげること。これらのことは、快適に寝るためには必要なのです。
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臥位(寝る)には、仰臥位(仰向け)のほかに側臥位(横向き)があります。ですから仰向けだけでなく、横向きで寝かせてあげるのもよいでしょう。しかし、側臥位は仰臥位に比べ重心の位置が高くなるので、安定しにくくなります。側臥位を安定させるためには、膝を曲げて身体を丸くし、手を前の方に出すような姿勢を作るとよいでしょう。
ところが、このような姿勢をとったとしても、上の肩は腕の重みで前に落ちてきますし、また上の足もその重みで骨盤を前に倒そうとするので、時間が経つとうつ伏せのような格好になってしまいます。側臥位で長い時間安定した姿勢を保ち続けることは、なかなか難しいのです。
そこで、抱き枕のようなものを用いると、身体のずり落ちを防ぎ、また基底面も広がるので姿勢を安定させることができます。
抱き枕は、単に筒状のものよりも、魚の形をしたようなものの方がよいでしょう。足を支える部分は、厚みがなく足で挟み込みやすいように設計されていますし、また上半身を支える部分は、身体を預けるのに十分な厚みを持っています。さらに、顔にはあたらないように作られてもいるので、顔の位置も安定させることができるからです。魚の形状の抱き枕は、身体にフィットするので姿勢を安定させることができるのです。
また中の材質も重要となってきます。堅すぎると痛みが出てきますし、柔らかすぎると身体の安定性がありません。例えばビーズクッションのようなものですと、押した力で中のビーズが流れてしまうので時間がたつと姿勢が崩れてしまいます。柔らかさがありなおかつ押してもしっかりと中身がとどまってくれるようなものがよいでしょう。