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困ったときに知っておきたい人の動き
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第8回 『立ち上がる』
「立ち上がり」のメカニズム

3.座面の高さと「立ち上がり」

※写真・画像をクリックすると別ウィンドウで大きく表示します

次に、座面の高さと「立ち上がり」の仕組みについてお話しましょう。
皆さんも試してみると判りやすいと思いますが、 座面が低い椅子からの「立ち上がり」よりも、座面が高い椅子からの「立ち上がり」ことのほうがスムーズに立ち上がることができます。これは重心の位置が関係しています。

図1

イラスト3 状況説明3

良く座るためのポイント」でもお話ししましたが、低い座面に腰掛けている場合、重心は後ろにあり、「立ち上がる」ためには、お辞儀するような形で重心を前方に移動しなければなりません。つまり後ろに重心があるとより多くの力が必要になるわけです。逆に、高い座面に腰掛けている場合には重心は前にあるので、少ない力で「立ち上がる」ことができるというわけなのです。(図1)

図2
イラスト4 状況説明4

しかし、「立ち上がり」をスムーズにするために、単に座面を高くすればよいということでもありません。座面が高い椅子は重心が前にあるため、座っていても前のめりになる危険があります。また、座面が高いと、床にしっかりと足をつけて座れなくなり、安定性を確保することができません。 ですから、安定して座ることができ、なおかつ「立ち上がり」にあまり力を必要としない、身体にあった椅子に座ることが大切なのです。(図2)

さて、「立ち上がり」のメカニズムについてはお分かりいただけたでしょうか。健康なときは、何気なくできる「立ち上がる」動作も加齢や障害で身体が不自由になると、困難な日常動作です。しかし、「立ち上がる」ことが出来れば、立位から歩くへつながり活動性は増すわけですから、ポイントを押さえて、安全でスムーズな「立ち上がり」をサポートしてあげましょう。

ただし、自力で立っていることができない人を無理に立ち上がらせることは控えるべきでしょう。「立ち上がる」という動作は非常に不安定なものですから、立っていられない人を立ち上がらせることは介助者に大きな負担がかかりますし、また、ちょっとしたミスで転倒などにもつながりかねませんので注意しましょう。

次回は、「立ち上がり」を助けてくれる道具についてお話したいと思います。

ひとを語る 理学療法士 かわぞえりゅうしろうさん

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