いくら私たちが姿勢を調整しても、椅子のほうが私たちの身体に合っていないのでは、快適な「座り」を実践することなど出来ません。適切なサイズの椅子でなければ、座っていても身体の疲れや痛みを覚えますし、我慢して座りつづけると、時には身体の変形を招くことだってあります。「良い」座りには、良い椅子選びも欠かせないのです。
では、自分の身体に合った椅子のサイズとはどのようなものでしょうか。主に3つのポイントがあります。
(1)座面の奥行きが身体に合っているということです。もし、背もたれにもたれることが困難なくらい奥行きのある椅子でしたら、無理にもたれるとずり落ちてしまったり、円背になってしまいます。
(2)座面の高さが身体にあっているということです。足が床につかないと身体を支えることが出来ず、腰から上が動かしにくく疲れてしまいます。
(3)座面の幅が身体にあっているということです。幅が広すぎると、身体が傾きやすく、安定姿勢の維持も難しいでしょう。 つまり身体に合ったサイズの椅子とは、座面の奥行き・高さ・幅が身体に合っている椅子のことをいいます。良い姿勢を実践するためには、このポイントにあった椅子を選ぶことが大切なのです。
また、車いすの方の場合には、この点のほかに、アームレストの高さが合っていることと(A)、フットレストの高さがあっていること(B)にも注意しなければならないでしょう。アームレストは高すぎても低すぎても上手く身体を支えることが出来ません。上手く体を支えるためには、肘を乗せて90度くらいで肩が少し上がるくらいを目安にするといいでしょう。またフットレストは高すぎるとももの裏が浮いてしまい、お尻が前に滑りやすくなります。なのでお尻が滑らないくらいの高さに調節すると良いでしょう。
そして安定して座りつづけるためには、座圧(座っている時にお尻からももの下面にかかる圧力)を分散させること(C)も重要です。身体の一部で偏って体重を支えていると、疲れや痛みの原因となります。楽に座りつづけるためには、できるだけできるだけ広い面積に座圧を分散することが大切で、背中(D)・座面(C)・足部(E)がきちんと支えられていなければならないのです。
背中に座圧を分散させるためには、背もたれ全体で身体を支えるようにするのが良いでしょう。背中の形に合い、フィットするのが理想的です。座面の支えは、必要に応じてクッションなどを活用し、どこかに偏らず、お尻からももの下面全体に座圧が広がるようにするのが良いでしょう。
また足部に重心を移せることが下半身の安定と上体の自由度のカギです。足部で身体を支えることができるために、足の裏が床につくことが大切です。