洗面所プランの基本をお話しします。 今回は、洗面所づくりを進める前に知っておくべきポイントについて解説していきましょう。
洗面所は、バリアフリーな住宅を設計していく上で、トイレや浴室に比べると関心が疎かになりがちな空間です。洗濯機や体重計、籠などさまざまな物が置かれた雑然とした場所となるケースが多く、手洗いや洗顔、歯磨き、脱衣、整髪など使用目的もさまざまとあって、設計が難しい空間でもあります。
介護が必要になると、洗面所への移動が大変だったりするために、洗面所には行かずに蒸しタオルで済ませてしまったり、また歯を磨いたり口をゆすぐのに、台所のシンクで済ませる方も少なくありません。しかし、ご本人の自立性を高め、生活の質を高めるためにも、洗面所で自分の顔を確認しながら水やお湯で洗顔したり、口腔ケアに努めるなど、生活の中で洗面所を有効に活用する習慣をつけておきたいものです。
快適な洗面所空間のプランをつくる際に、まず念頭においておくべきポイントについて、ご説明しましょう。
(1)洗面所は、トイレや浴室に隣接した位置に設けることが多く、介護が必要になったり身体能力が下がったりした場合に、トイレや浴室の予備的な空間として活用することができます。例えばトイレと洗面所の2室を一体化して、より介助しやすく、より使いやすい空間に改修するケースも少なくありません。将来のことも考えた設計に努めましょう。
(2)洗面所本来の使用目的である洗顔や歯磨きが楽にできる空間づくりを、まず念頭においてください。洗面台の高さは、車いすで使うのか、椅子に座って使うのか、立って使うのかによって異なるので、使用者の高さに合わせて設置することが大切です。また、洗面ボウルや水栓金具に、きちんと手が届くような設定にすることも重要です。
高さが合わなくて使いづらかったり、水栓金具に手が届きにくいために操作を誤って水をまき散らすようなことがあると、洗面所に行くのが次第に億劫になってしまいます。
(3)洗面所での動作は不安定になりがちです。顔を洗う際は目をつむって身体を傾けますし、服を脱ぎ着する際はシャツで視界が遮られたり、足からズボンを抜くために片足を上げたりすることもあります。座りながら脱衣ができるなど、動作が安定する環境をつくる必要があります。
(4)操作しやすいレバー式水栓、ご本人にあわせて水栓位置が選べる洗面台、水栓の高さを上げられる器具など、楽に操作できる器具類を選ぶようにしましょう。また、本人だけでなく、家族も使う空間なので、家族の使いやすさも考慮しましょう。
(5)洗面所は脱衣して裸になる場所でもあります。急激な温度変化が生じないよう、浴室と同様、冬場には暖房できるようにしておきましょう。
(6)しびんやバケツなどの汚れものの洗い場所には、とかく戸惑うもの。家族が洗面や歯磨きに使う洗面台とは別に、専用のシンクがあると便利です。失禁などで汚れた下着を、洗濯機に入れる前に予備洗いするのにも重宝することがあります。

(7)日常的に使う小物や大小タオルなど、洗面所にはさまざまな物を収納する場所が必要になります。収納は出し入れしやすく、手の届きやすい高さに設定しましょう。
手すりを頼りに歩行される方の場合、住居内に連続した手すりを設ける必要があります。しかしながら、洗面所は洗面台や洗濯機、籠などで壁面がふさがり、手すりの設置がままならないケースが多いもの。こうした場合、洗濯機や籠を手すり代わりの支持物にしたいところですが、支持物となるものは、しっかり固定されていることが重要です。安全のためにも、洗濯機や籠などを支持物の代わりにするのは避けましょう。
※掲載プランおよび商品は一例です。
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