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住宅改修の基本

第7回 スペースとアプローチについて

2.浴室でのアプローチについて

〈浴槽のエプロン高さ〉

まず浴槽へのアプローチについてです。

イラスト4 浴槽のエプロン高さ

浴槽エプロンの高さ、すなわち、浴槽またぎ込み長さは、一般的に400ミリメートル程度といわれています。このくらいの高さですと、移乗台などに座ってから入るにしても、立った状態でまたいで入るにしても、許容範囲の寸法ということになります。

また、特にまたいで入る場合ですが、エプロン高さを低くしようとすると、それだけ埋め込みが深くなり、結果的に、洗い場と浴槽底面の高さの「段差」が大きくなって、またぎ動作が不安定になってしまいます。洗い場と浴槽底面の「段差」は、だいたい150ミリメートルから200ミリメートル以内程度が許容範囲といえるでしょう。

ただ、これらの寸法は、あくまでも一般的なものに過ぎません。例えばリウマチの方などは、移乗台の高さが400ミリメートル程度では関節を深く曲げなければならず、辛い場合があります。ご本人の身体状況によって、柔軟な設計が必要になります。

ちなみに、最近は少なくなりましたが、一時期、浴槽の外側に豪華なタイルを貼るなどして高級感をもたせるのがはやった時代がありました。結果的に、浴槽リムの幅が分厚くなるわけですが、この場合はまたぎを大きくしなければなりませんし、移乗台などに腰掛けてから入るにしても、身体の回転が大きくなりますから、避けた方がいいでしょう。

〈脱衣場から浴室へのアプローチ〉

脱衣場から浴室へ入る際のポイントは、出入り口の有効開口幅と、段差です。

イラスト5 脱衣場から浴室へのアプローチ

まず出入り口の開口幅ですが、介助しながらの出入り、車いすやシャワーキャリーに乗った状態での出入りを考えると、なるべく広めにとっておきたいところです。800ミリメートル以上を確保するのが理想的でしょう。

また、出入り口部分の段差もなくすようにしましょう。

専門家も気づかない意外な視点

浴室だけに限らない話ですが、専門家も意外と気づいていない点について一言、お話しします。
例えば片麻痺の方の場合、手や足のどちら側が動かせるかを考えて、手すりの設定などを行うことがあります。しかし、目的とする場所から帰ってくるときには向きが逆になります。こうした点を考慮して、後ろ向きに歩く練習までリハビリ指導できていればいいのですが、ここまでできる専門家は案外少ないのが実状です。広々とした施設の場合は左右両側に手すりがつけることができても、家庭の中では広さも限られていますから、たいていは片側しか設置できない場合が多いでしょう。
また、足に装具が必要な方の場合、リハビリの一環で実際に装具をつけて歩く練習はしても、浴室内のように装具をはずさなければならない場所での動作をどうするかまでは練習できていないケースが多いのです。
リハビリを終えてご本人がご自宅に帰ってきても、実際に自宅の中での動作に慣れるまでは注意深く見守ることが大切と言えるでしょう。

※掲載プランおよび商品は一例です。
ご発注の際は、販売店、工事店にご確認ください。

ひとを語る 理学療法士 かわぞえりゅうしろうさん

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