浴室プランの基本、2回目の今回は、浴室空間の広さや浴槽へのアプローチについてお話しします。 広さに限界がある浴室では、ご本人の身体状況や、浴室内で使う福祉用具、浴室内での動作など、さまざまな要素を考慮した空間づくりが必要です。また、安全に入浴を楽しむには、浴槽の選択や埋め込みの深さも重要な検討要素です。基本を守って、快適な空間設計にお役立てください。
〈浴室の面積〉
浴室はできるだけ広ければいい、と考えられがちです。
しかし、伝い歩きで浴室を利用される方の場合、浴室が広ければそれだけ、手すりなどによる連続的な身体の支えが必要になってしまいます。特に注意したいのは、普段は足に装具をつけて歩いている方です。浴室内では装具を外すことで歩行能力が落ちますから、身体の支えがますます重要になります。
ただ、介助が必要で、ご本人がシャワーチェアーや水まわり用車いすを使う場合は、ある程度動きやすく、洗体・介助がしやすいような寸法を確保するのが基本です。このような場合には…

・奥行き(寸法A)については、900ミリメートル以上を確保しましょう。さらに1,350ミリメートルあれば、介助者がご本人の横方向から介助しやすくなります。
・横(寸法B)については、1,650ミリメートル程度ほしいところです。
〈腰掛けスペースと介助スペース〉
浴槽には、浴槽の中に入る際にいったん腰掛けることができるスペースを設定しておきましょう。健常な方の場合、浴槽は難なくまたぐことができますが、足腰が弱ってくると、足を上げてまたごうとしたときに、バランスを崩す危険があるからです。腰掛けスペースは、お尻をのせることができる寸法として、奥行き400ミリメートルが必要です。
ご本人の動きとしては、上図で説明しますと、ちょうど(2)のあたりに後ろ向きに腰をおろし、姿勢を安定させてから、まずは左足、次に右足を浴槽内に入れていくわけです。

浴室の後方にスペースが取れない場合は、浴槽の高さに合わせた移乗台(トランスファーボード)を利用する方法もあります。
〈浴槽のサイズ〉
浴槽のサイズは、内寸が1,000ミリメートル前後、長くても1,100ミリメートル程度にとどめておきましょう。ここで重要なことは、浴槽内への身体の滑り込みを防ぐことです。浴槽内で背中を壁面にもたれたときに、膝を軽く曲げて足先が向こう側の浴槽壁面に届いて突っ張れるくらいの長さ、と考えてください。
※掲載プランおよび商品は一例です。
ご発注の際は、販売店、工事店にご確認ください。