ここから本文です
住宅改修の基本

第4回 プラン例・前編

トイレの具体的な空間づくりの例を、2回に分けてお見せしていきます。 今回は前編として、<1>歩ける方のプラン、そして<2>車いすを自走される方のプランを取り上げます。いずれも、身体移動能力に応じた設計プランとなっていますが、ご本人特有の身体状況や、住宅事情、ご予算などに応じて、実際には幾通りものプランが考えられます。ここで示したプランは、あくまでも一つの例としてご参照ください。

※住宅性能表示制度(品確法)の等級表示について

以下の具体的プランについては、それぞれ「住宅の品質確保の促進等に関する法律(略称:品確法)」「住宅性能表示制度」の分野の一つ、「高齢者等への配慮」で示された評価等級(1〜5まで)を参考に表示しました。等級の数字が大きくなるに従って、より高度な配慮がなされていることになります。なお、この制度は新築を対象としたものです。

1.歩ける方のプラン

イラスト1 歩ける方のプラン
使用器具一覧
(1)便器
(2)タンク・金具一式
(3)ウォシュレット
(4)らくらくリモコン
(5)手洗器・自動水栓
(6)紙巻器付手すり
(7)住宅用はね上げ手すり
(8)引込戸
(9)インテリア・バー
(10)タオルリング

当プランの概要

○自力で歩ける方、杖や手すりなどを使って一人で伝い歩きができる方が、一人でトイレに入り、一人で排泄動作ができることを想定したプランです。

○住宅性能表示の等級3をクリアするスペースとして、800ミリメートル×1400ミリメートルを想定しました。

便器へのアプローチがしやすい、側方からの出入りを提案しています。

○便器の前で身づくろいができ、便器への立ち座り時に前屈みをしても壁にぶつからないよう、便器前方に十分なスペースをとりました。

当プランのポイント

○便器の側方(長辺方向)から出入りするプラン

便器などにアプローチする場合は、身体の回転が小さいほうが安全です。このため、一般的なトイレのように便器前方から入って身体の向きを180度回転させるプランではなく、側方から入る例を示しました。

便器のそばには、姿勢を安定させる手すり(アームレスト)を設置したいところですが、側方から入る場合に移動の妨げになりますので、ここでははね上げ式の手すりを例示しています。(A)

イラスト2 開閉が楽な引込み戸

○開閉が楽な引込み戸を設定

ドアを設ける側の辺が800ミリメートルで、隣接空間を戸袋に使えない場合、基本は開き戸になります。この場合、普通の外開き・内開きの扉ですと、室内や廊下部分に開閉に十分な空間をとらなければならず、また、開閉時には、ご本人の身体を逃がす必要があります。

このため、狭い空間でも開け閉めが楽で、ご本人の身体の移動も少なくてすむ、有効開口が幅広い引込み戸を設定しました。(B)

○一連の動作を連続的に支える手すり

このプランでは、まず(9)の廊下側手すりで立ち姿勢を安定させ、引込み戸を開けて中に一歩踏み入れると、(6)のL型手すり(紙巻器付き手すり)に手が届くようになっています。そして、L型手すりでいったん立ち姿勢を安定させて衣服を脱ぎ、便座に座り、はね上げ手すりを下ろして、排泄動作に移ったあと、逆の順序でトイレを出ていくことになります。

このように、トイレの扉の前に立ってから、トイレを出ていくまでの一連の動作において、身体を支え続けられる設計をすることが大切です。

イラスト3 便器前方の空間

○便器前方に600ミリメートル程度の空間を

便器前方にはある程度の空間の余裕が必要です。便器への立ち座りでは、身体が前屈しますので最低500ミリメートル、衣服の脱着も考えれば、600ミリメートル程度の余裕がほしいところです。

※掲載プランおよび商品は一例です。
ご発注の際は、販売店、工事店にご確認ください。

ひとを語る 理学療法士 かわぞえりゅうしろうさん

WEBセミナーに戻る

目次に戻る

坂本さんのセミナーを見る

本文終了です
楽&楽計画どっとこむについて初めてサイトをご覧になる方へカタログ請求ご意見・お問い合わせ
| サイトマップ | プライバシーポリシー |