バリアフリーな住まいを意識するとき、設計や設備に対するちょっとした気配りが大切です。この気配りが、高齢者・障害者に対してだけでなく、家族みんなにも快適で安全な住宅を実現するのです。
介護するご家族、介護される方の視点から導かれた住まいづくりの基本的な配慮ポイントをご紹介します。
空間づくりを行うとき、よく使う言葉に「動線」があります。例えば、ベッドから廊下を通って洗面所へ行く、その軌跡をたどったものが「動線」です。バリアフリーの住まいを考えるとき、この動線をいかに短く、単純なものにするかが重要なポイントになります。
家の中で生活していると、様々な目的の行動が発生します。寝室からトイレへ行く、浴室へ行く、居間へ行く、などです。この動線が長かったり、曲がりくねっていたりすると、それだけ目的地に達するまでの危険が多くなりますし、また労力も必要になります。
とくに急を要するような目的。例えばトイレの場合、動線が長くて複雑だと、目的地までたどり着けず、結局はベッドのそばでポータブルトイレを使ったり、おむつを使うことになったりと、生活の質の低下を招いてしまいます。
間取りを考えるにあたっては、どの部屋にもスムーズに移動できるよう、工夫することが重要なのです。
また、導線上からバリア(障壁)をなくすことも大切です。
●段差をなくし、入口部分の横幅を十分にとること
●照明の暗すぎる部分を作らない
●移動中の温度差を大きくしない
などの配慮も大切です。
あまり外出することがなかったとしても、屋内の「動線」だけでなく、外部への「動線」も考えておきたいものです。行く空間をあらかじめ決めてしまうと、生活範囲を狭めてしまう恐れがあるからです。活動的な生活をするためにも、いつでも外出できる配慮をしておきましょう。
今は伝い歩きができても、将来は車いすが必要になる可能性もあります。加齢と共に身体状況は変化していきますから、将来を見越した準備を整えておくことも重要です。
例えば、トイレを広めにしておけば、車いすが必要になっても使い勝手で困ることは少ないでしょう。今は立ち座りに問題がなく、トイレが広すぎて殺風景だと感じるのであれば、当面は手洗いカウンターを設けておくのも方法です。
また、将来、寝室にトイレやシャワールームを取り付けられるよう、あらかじめ基礎工事の段階で押入れなどに給排水配管をしておくのもいいでしょう。
身体状況が悪化した場合は福祉用具で補うこともできますが、いざ福祉用具を使う段階になって、取り付けができないなどということがないよう、福祉用具に関する情報収集もしておきたいものです。
※掲載プランおよび商品は一例です。
ご発注の際は、販売店、工事店にご確認ください。