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- そもそも、福祉の世界に興味をお持ちになったきっかけは何だったのでしょうか?
渡邊英和さん(以下渡邊)

13〜4年ほど前、横浜市の障害者施設で行われた講演を偶然聞く機会があって、それに感銘を受けました。それから何らかの形で障害を持たれている方と関わりを持ちたいと考えるようになりました。社内に手話を勉強している人がいたことも、福祉を身近に感じる要因のひとつだったと思います。
直接的な契機は、TOTOがユニバーサルデザインを謳った「レブリス(REVLIS)商品」(※)に出会ったことでした。弊社はTOTOリモデルクラブのメンバーだったので、これらの商品を多くの人に知ってもらいたいと考え、1998年にレブリスショップ・フジックスを立ち上げました。介護保険制度ができる前で、介護ショップがわずかにあるぐらいの時期のことです。
※レブリス(REVLIS)商品
TOTOは高齢社会に対応した商品に対し、シルバー(SILVER)を新しい角度から考え直すという意味を込めてレブリス(REVLIS)商品と呼んだ。(1990年代当時)
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- あえて別会社を設立するというのは珍しいと思いますが、その理由をお教え下さい。
渡邊
実は行政で福祉に携わる方とお話しをしたときに、福祉は片手間ではできないと言われたのです。そこで福祉を専業とする別会社を作ることにしました。
会社設立時には、介護保険制度もまだなかったのですが、現在では9割以上が介護保険をご利用になるお客様です。手すりの設置が8割、残りがトイレ・玄関・浴室の介護リモデルです。平均単価は9万円代前半、去年一年間で手がけたのは220事例ほどになります。
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- 介護リモデルを行う上で、特に心がけているのはどんなことでしょうか?
渡邊
何度もアセスメント(※)を重ねた上でプランをつくること、一度に家全体の工事を行わないことを心がけています。朝、昼、夜で体の状態が変わるケースもありますし、アセスメントの際には、細かく見て状態を把握することが大切です。それから、段階を踏んだプランを考えます。
寝たきりの方だったら、まずトイレの自立ができるように、その方の体の状態を見て、プランを練ります。例えば、トイレへ行くための動線にあたる廊下や、トイレに手すりを設けるなどです。トイレの自立ができて、お風呂に自分で入れるようになりたいと思うようになったら浴室、さらに外出もしたいと思うようになったら玄関と、段階的に介護リモデルを行うようにしています。
一度に家全体の工事を行う方が効率が良いと思われるかもしれませんが、介護リモデルでは工事を数回にわけて行うことが、お客様のためになる場合があります。介護リモデルを行うことによって、自立度の改善が望めるからです。自立度が高まれば、必要となる介護リモデルの内容が変わってきます。手すりも取りつけるべき適切な位置が違ってくるのです。「利用者本位」を基本として、ビジネスとしての採算はその後に考えることがお客様の満足に繋がっているのだろうと思います。
また、お話しするときに使う言葉も「リモデル」や「リフォーム」ではなく「住宅改修」のように、カタカナの言葉を避けて、高齢の方にも理解しやすいものを選ぶようにしています。
※アセスメント
介護と福祉で使われる用語。
対象者の状態とニーズを把握し、それに見合うケアプランを作成するために、対象者と関わる際に事前に行う情報収集。
元々は、課題分析や事前評価といった意味を持つ英語。