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介護を受ける人にも介護する人にもやさしい「自立と介護の家づくり」を目指して 福祉住環境コーディネーター 有限会社 武藤技建 代表取締役社長 武藤俊之さん

ケアマネージャーとの信頼関係を築き介護のためのリモデルを広げていきたい

介護保険の導入後、介護のためのリモデルの世界には変化があったのでしょうか?
武藤
介護保険の導入で、保険の上限である20万円を越えない費用でリモデルしたいと望まれるケースが増えてきました。20万円以内でご本人の能力を発揮できれば良いのですが、できないケースも発生します。そういうときには、予算内でできるプランの他に、プラスいくらにすれば「こんなことができる」ということを、今までに手がけた事例を上げながらご提案します。そして、お客さまご自身に選んでもらうようにしています。
はじめのころは、「介護保険を使いたいから」と、お客さまからケアマネージャーさんを紹介されるケースもありました。そのときには、介護の専門家であるケアマネージャーさんに、住宅の専門家としての立場で介護が楽にできる住まいにするためにはどうすればいいかを伝えて、お互い協力しながらプランを練り上げていきました。リモデルの中心となるのはご利用者だという初心を忘れないように気をつけています。
今では、以前一緒に仕事をしたケアマネージャーさんから、別の住宅改修を望むお客さまをご紹介していただけるようになっています。報告や連絡をきちんと行って、ケアマネージャーさんとの信頼関係を築いていくことは、介護のためのリモデルでは特に重要だと考えています。
介護のためのリモデルに力を入れている工務店のネットワークづくりにも励んでいらっしゃると伺いましたが?
武藤
全国には高齢者や身体に障害のある方がたくさんおられます。その方々の残存能力を活かす住環境であれば自立ができたり介護がやりやすくなります。しかし、福祉住環境の知識や実践経験が乏しく失敗する事例もまた数多くあります。介護のためのリモデルの場合、離れて暮らすお子さんがご両親のために情報を集めて、住宅改修に踏み切るケースも多いのです。私たちが手がけられないエリアにご両親が住まわれているようなときに、安心してご紹介できる工務店があればと考えネットワークづくりを始めました。
現在、福祉住環境は工務店として必要不可欠の知識になってきております。情報がないと悩んでいる工務店の方々にも高齢者・障害者向け住宅のノウハウを広く普及させ、その地域の福祉住環境の核となっていただくために、私の知識が少しでもお役に立てばという思いから『武藤塾』というケアリフォーム研究会を立ち上げ、教育研修プログラムを提供するようになりました。
技術的なことのほか、お施主様との面談手法、ケアマネージャーさんとよりよい関係を築くためのポイントなどの講習と、私たちが実際手がけた改修現場の見学などを行っています。おかげさまで、現在40社を超えるネットワークができましたが、全国のどのエリアでもお客さまに介護住宅の設計ができる工務店をご紹介できるように、300社までメンバーを増やすことを目標としています。

編集部注:
武藤社長は『武藤技建』のホームページや著書等で、「障害者」を「障碍者」と表記しています。この“碍”の字には「妨げ・差し支える」という意味があり、そこから「身体器官への妨げ」ということで「障碍」の字を使われているそうです。一方、“害”は“碍”同様、「妨げ・差し支える」という意味がありますが、“公害”“加害”といったことにも使われ、一般的にはあまりよい印象をもたないとも言われています。今回の記事では一般的に使われている“害”の字を使用いたしました


CRS全国大会:年に1回、ネットワークのメンバーが集まって、テーマを定めた勉強会を行っている。
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