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- 武藤さんがバリアフリー住宅に取り組もうと考えたきっかけは、何だったのでしょうか?
武藤俊之さん(以下、武藤)

超高齢化社会に備えて、16年前に政府からゴールドプランが打ち出されました。その記事を新聞で読んだとき、高齢者に対する自分なりの住宅づくりを考えておかなければならないと思ったことがきっかけです。でもこの時点では、手すりや段差解消用のスロープが必要だろうなと漠然と考えただけで、何をどう勉強していいのかもわかりませんでした。
転機となったのは、当時の車いすでの生活を体験できるバリアフリー対応モデルハウスを訪れたときです。高齢者対応住宅を考えていると言った私に、案内係の方は、実際に車いすを使いながら健常者が机の上で考えたプランには、配慮が行き届かないところがあることを1つ1つ丁寧に説明してくれました。
また「高齢になると筋力が低下して、歩けなくなったりする。高齢者とはある意味での障害者でもあるのです。」ということも教えられました。
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- その後いろいろ勉強されて、高齢者対応のリモデルを手がけるようになったのですね。
武藤

まず、手すり一本付けるところからでしたが、マニュアルどおりではなく、取り付け方を自分なりに工夫しました。使う方の背の高さや腕の力をチェックし、その方に合った形のものを選び、取り付け位置などを考えました。今までずいぶん沢山の手すりの取り付けをしましたが、ほとんどクレームはないんですよ。
工務店の場合、お施主さんを訪ねるとすぐに、「お風呂を見て」、「トイレはここ」と言われがちです。しかし、私はまず、介護を受けられる方からお話を伺います。ケアマネージャーさんから渡されたフェイスシートを見ながら、事前に病気や症状のことを本で調べた上で体の状態について尋ねます。そのときに、握手をして握力を調べたり、どのぐらい足が上げられるのかを計ったりして、身体状況を確認するようにしています。
こうした事前の情報収集の必要性は、福祉住環境を専門に研究していらっしゃって、ご自身も車椅子を使われているある大学の先生に教わりました。マニュアル通りにリモデルをしているだけでは、暮らしやすい住宅にはならないんです。ですから、その人になりきって、実際に使うときのことを熟考して、プランを提案することを心がけています。