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- 介護リモデルの難しさはどんなところにあるのでしょうか?
森

『家族にとってのユニバーサルデザイン』(=快適で美しい空間デザイン)と、介護を必要とされる方の暮らしをサポートするために必要なものが両立しにくいケースが起こりうることではないでしょうか? おふろのような湯気がある環境では、同系色の手すりだと、どこにあるのかがわからず、転びかけたときなどにとっさにつかむことができない。しかし、色鮮やかなものを使うことは、『家族にとってのユニバーサルデザイン』に反することになりかねません。
介護リモデルは、交通事故のときの責任比率に似ていて、どちらかが100%で、もう一方は0%ということはないんです。介護される方が70%ぐらい満足したら、家族は30%の満足で納得していただく。家族は30%の『ユニバーサルデザイン』を実現して、70%は介護を必要とされる方のために我慢する。そういう「いわたりの気持ち」があって初めて、家族みんなが笑顔で暮らせる『満足介護住宅』が実現できるのだと思います。もちろん介護を必要とされる方にも家族にも100%の満足を提供するために努力することが私たちの仕事だと認識しています。
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- 家族の笑顔を引きだしたリモデルで、印象に残っている事例を教えてください。
森
嬉しかったのは、「ありがとうね」と書かれたご夫婦お二人の笑顔の写真入りおはがきをいただいた事例です。80歳代の高齢のご夫婦だったのですが、ご主人は庭で植木の手入れ、奥様は室内でテレビと、お二人の生活が分断されていました。手すりをつけたり、バリアフリー化をするのとあわせて、庭に面してデッキを設けることを提案しました。
「そんなのはいらない」とおっしゃるのを「どうしてもつくらせてくれ」と、離れて暮らしていた息子さんたちを説得したケースでした。デッキをつくった結果、奥様が車いすでデッキに出られるようになって、盆栽の手入れをなさるご主人とお話なさるようになった。
これはヘルパーさんに誉められたんですよ。おばあちゃんがすごく明るくなったって。こういう笑顔をつくれるようなプランをこれからもたくさん提案していきたいと考えています。

80歳代のご夫婦の暮らす住まいのリモデル事例。バリアフリー化と同時に、ウッドデッキを新設。奥様が車いすでデッキに出られるようになって、盆栽いじりが趣味のご主人との会話と笑顔が増えた。