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『介護される人のため』から踏み込んだ、家族みんなが楽しく暮らせる『満足介護住宅』を目指しています 株式会社 ベターリビング奈良 代表取締役 森恒夫さん

メリットとデメリットを説明、納得してもらった上でプランを決める

介護リモデルと一般のリモデルとの違いはどんなところにあるのでしょうか?
例えばおふろのバリアフリー化では、ユニットバス自体をバリアフリータイプに入れ替えるという選択肢がありますが、予算の関係で難しいことも少なくありません。そんなときに活用できるのが洗い場に敷く“浴室すのこ”です。

既存のユニットバスにこれを使うと、出入り口の段差(5〜10センチメートル程度が多い)は解消できますが、浴槽の縁の高さがその分低くなりすぎて、またぎにくくなるというデメリットが生じることがあります。浴槽の使いやすさと出入り口のバリアフリーのどちらを優先して考えるのかは、お客様に決めていただく必要があるのです。事前にわかっていることの説明を怠ると、「使いにくくなった」と指摘されることになります。メリットだけではなくデメリットもきちんとお伝えして、お客様に選んでいただくようにしています。そうすると「さすがよく知っている」と、信頼も高まるんですね。

対して、在来工法のおふろであれば、浴槽の高さをかさ上げすることも可能です。今お使いの浴槽を使えるので、思いのほか安く工事ができます。現場の状況やお客様の身体の状態によっても、とれる選択肢がさまざまに変化するので、事前の説明が一般のリモデル以上に重要だと考えています。
介護しやすい住宅をつくるためには、医療関係者との連携も重要ですね。
 
OT・PT(作業療法士・理学療法士)の先生と、症状のディスカッションを行っています。同じ脳梗塞でも人によって症状はちがいます。リハビリで身体の機能がどの程度改善するのかなどを教えていただいて、それを踏まえて最新の福祉用具を利用することなども提案しながら、プランニングします。

医療に携わっている方は身体のことはよく知っていても、住宅に対する知識は十分ではありません。一方、大工さんや工務店は住宅のことを知っていても、身体のことはよくわかっていません。しかし、「こういうものがほしい」というニーズが明確になれば、お互いの持っている技術を出し合い形にしていく事ができます。身体のことを理解した上で、有効な福祉用具を活用し、介護される方も介護する方も暮らしやすい空間を提案するのが、住環境のプロである私たちの役割だと思います。

それから、もうひとつ大切なのが予算です。どんなに良いプランでも、予算に合わなければダメ。そこまで含めて、私たちは施主である介護を必要とされる方と家族、医療機関、工事を担当する業者の三者の架け橋になろうと考えています。

事例紹介

●ユニットバスのバリアフリー化事例

“浴室すのこ”を用いて、出入り口の段差を解消。この事例では、洗い場と浴室の淵までの高さが低くなってしまうことを事前に説明した結果、家族が介護してすることで対応するので、出入り口のバリアフリー化を優先するという選択になった。

●在来工法の浴室のバリアフリー化事例

ユニットバスの場合と同様、"浴室すのこ"を用いて、出入り口の段差を解消。床をあげた分、浴槽をかさ上げした。浴槽自体は以前のものをそのまま使用することで、コストダウンを図り、バリアフリー化と浴槽の使いやすさを両立させた。
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