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『介護される人のため』から踏み込んだ、家族みんなが楽しく暮らせる『満足介護住宅』を目指しています 株式会社 ベターリビング奈良 代表取締役 森恒夫さん

安易にスロープや手すりに頼らないリモデルを提案

一般のリモデルだけではなく、介護リモデルも手がけるようになったのはいつごろからですか?
森恒夫さん(以下、森)
平成元年ごろでした。障害者や高齢者対応の住宅を勉強しようと思って、介護施設などへ見学に行きました。

最初に手がけたのは、交通事故に遭われた方のリモデルでした。これがお客さまに喜ばれたのでVTRを作って、病院や介護施設の関係者の方に声をかけて発表会を行い、「ベターリビング奈良が介護リモデルにも対応できること」を認知してもらったんです。このときの病院からの紹介で、介護住宅の注文をいただけるようになりました。

介護に適した住宅にリモデルするには、社会への接点を持たせることが大きなテーマとなってきます。そのためには、車いすで家の外と中を出入りできる動線を確保することが必要になります。これは家の外にも手を加えることにつながるのですが、「外の工事は別の会社にお願いしてください」では、お客様にとってわかりにくい。それで、外構(エクステリア)のデザインも手がけることになったのです。

現在は、「新築・一般のリモデル」、「介護リモデル」、「外構(エクステリア)」を3本柱としています。
介護リモデルを提案するときに、特に気を配っていることはありますか?

まずお話するのは、「安易にスロープをつけるのはやめましょう」ということ。脚力が残っているような方にはスロープは危険なんですよ。今まで歩けていたのに、スロープにしたせいで部屋から外に出られなくなるケースもあるんです。大きく足があげられないのなら、1段の高さを3〜10センチメートルぐらいに低くするやり方もあります。

また、手すりもむやみにつけずに、必要な場所に必要なものを設ける。実は、介護リモデルを始めた当初、ご本人が退院される前に暮らしやすくしておこうと、家族の方と相談して手すりをたくさんつけたことがあります。いざ、ご本人が使ってみたら、全然役に立たない。丸い手すりをつけていたんですが、その方はリウマチを患っていらして、断面が小判型のものでないとうまく握れなかった。住宅のことは知っていても、身体のことを知らなかったんですね。それ以来、簡単には手すりをつけないようになりました。

特に、階段の手すりの設置には注意が必要です。階段の手すりは危険防止のためにつけるという意味もあるので、下り中心に考える必要があります。転がり落ちる危険を防ぐには、標準の75センチメートルでは低すぎる場合があります。階段を上るときではなく、実際に降りる行為をしていただき、つかみやすい位置を決めてもらっています。

腰をうまくひねれないようなケースでは、便器の位置を壁に対して少し傾け、180度身体を回転させなくてもよいようにすることが有効だ。(写真参照) 写真とは別の事例では、ほかのご家族から「斜めの便器がデザイン的に気になる」という声があり、壁に便器と同じ角度になるような棚を設け、便器の傾きが目立たない空間に仕上げた事例もある。

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